生活衛生 社団法人広島市食品衛生協会
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暮らしの中の化学物質
   住居の密閉化など、住環境の変化によって、住まいを原因とするいろいろなアレルギーが増えています。
アレルギーを引き起こす物質を、少なくするような住まい方が大切です。
 
約1/3の人が、何らかのアレルギー疾患をもっています。   約1/2の家庭で、家族にアレルギー症状があります。
グラフ 男女別のアレルギー症状の保有者   グラフ 家族の中にアレルギー患者のいる家
男女別のアレルギー症状の保有者
(1991年厚生省統計情報部調査(全国無作為抽出、標本数5万人))
  家族の中にアレルギー患者のいる家
(広島市 平成8年度アンケート調査)

■アレルギーとは
  人のからだには、外から異物が入るとこれに抵抗する物質を体内でつくり身体を守ろう
 とする防御機能があります。アレルギーとは、この防御機能が過剰に反応するために起
 こる、いろいろな疾患のことをいいます。

●代表的なアレルギー疾患にはつぎのようなものがあります。
 ・アトピー性皮膚炎
 ・アレルギー性鼻炎
 ・気管支ぜん息
 ・アレルギー性結膜炎
 ・花粉症

●アレルギーを引き起こす原因
  人によって原因となる物質はちがいますが、一般にアレルゲン(アレルギーの原因とな
 る物質)として注目されているのはつぎのようなものです。

代表的なアレルゲン 主なアレルギー症状
(1)ハウスダスト
ダニの排泄物、死骸、生体などが中心)
ぜん息、鼻炎、アトピー性皮膚炎など
(2)カビの胞子や菌体 ぜん息、鼻炎、アトピー性皮膚炎など
(3)ホルムアルデヒド
(建材や家具に使用されている)
 
住まいと化学物質
ぜん息、接触性皮膚炎など
(4)窒素酸化物
(石油ストーブなどの排気に含まれている)
 
暮らしの中の化学物質
ぜん息の原因と疑われている
(5)ペット類の皮膚、毛 ぜん息、鼻炎、結膜炎など
(6)昆虫(ゴキブリ、ユスリカなど)の死骸など ぜん息など
(7)植物性抗原
(花粉、ソバガラなど)
鼻炎、結膜炎など

  これらのアレルゲンを吸入したり、また直接接触したりすることによりアレルギー症状を
 起こします。
 
イラスト
 
■アレルギー症状を軽くする住まい方
  アレルギーの症状を軽くしたり、予防するためにもっとも有効なのは、住居内のアレル
 ゲンを減らすことです。アレルギー患者のいる家庭では、つぎの点に注意しましょう。

維持管理項目 注  意  点
寝具類の管理  吸入性アレルギーの場合は、寝具類からのアレルゲンの吸入の機会が多いことから、その管理は特に重要となります。
 
日常の管理
●天日干し(不可能な場合は、ふとん乾燥機の使用が望まれます。
●ふとん表面の掃除機がけ
 1週間に1回は、寝具類の表と裏の両面に、片面につき1分程度掃除機をかけることが効果的です。
 なお、掃除機の使用ノズルは、キャタピラーの付いた寝具専用のノズルの使用が便利です。
●防ダニ寝具(ダニを通さない高密度織物で作られたもの。)の使用
 
非日常の管理
●ふとんクリーニング
●シーズンオフの寝具類の保管方法
 圧縮袋などの使用。また、長期保管していた寝具類を使用し始めるときは、天日干し、ふとん表面の掃除機がけが望まれます。
室内の清掃  ほこりには、各種アレルゲンが多く含まれることから、日常の清掃が重要です。
 
●掃除機がけ
 寝室は毎日の掃除機がけが望まれます。その他の部屋は汚れの程度に応じてで結構ですが、カーペットや畳については、3日に1度は必要です。
 なお、カーペットや畳などのアレルゲン対策として、1m2につき20秒以上の時間をかけ、ていねいに行うのが効果的です。
●ほこりのたまりにくい構造とする。(清掃しにくい状態にしない。)
●空気清浄機の使用
●梅雨明け後の大掃除の実施
通風・換気
(湿度管理)
 湿度が高いと、ダニやカビの発生につながります。このため、換気除湿・除カビが重要となります。

ふとんたたき…ふとんをたたくと、ほこりを減らすことはできます。しかしダニの減少については、通常のたたく回数ではあまり期待できません。むしろ「たたき」を行うことでふとんの中の微細なアレルゲン物質が中から浮き出てきて、逆効果になる場合があります。天日干しの後は、掃除機をかけると効果的です。