食品衛生 社団法人広島市食品衛生協会
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アニサキス
平成17年夏頃、中国から輸入された養殖用のカンパチの幼魚からアニサキスが高率に検出されたという報道がありました。そこで国では、当該幼魚を肥育し出荷するときは、アニサキスを死滅させる手段をとって、衛生行政当局の確認を受けてから出荷するよう指導が行われました。ところが、今年に入って昨年末に高知県の養魚場からこれらの手続きを経ないカンパチが約9000匹和歌山県に出荷されていたことが判りました。これまで健康被害の情報はないそうです。
アニサキスとは何か?アニサキスによる健康被害を防ぐにはどうすれば良いのか?


アニサキス
アニサキスは、イルカや鯨・オットセイなどの海の食物連鎖の頂点に立つ動物に最終的に寄生して成長、産卵します。それなので、これらの動物が好む魚、サバ・アジ・イカ・スケトウタラなどに中間寄生しますが成長はできません。もちろん、人の体の中もです。そこで、アニサキスが人の体の中に入ると苦しがって、胃壁や時には腸壁を傷つけるため健康被害が生じます。毎年2,000〜3,000名のアニサキス症患者があるとの報告もあります。絞るような胃痛・腸痛だそうです。日本では、サバの生食によるものが最も多いといわれています。

アニサキスは、−20℃以下で24時間以上冷凍すれば死滅します。
出荷する養殖業者は、この措置を取って当該カンパチを出荷することとなっています。
通常の場合は、今回のような心配はありませんので、バランスよく魚を食べましょう。

消費者の皆さんがサバ等の魚を生食する場合は、次のことに注意しましょう。
● 魚体をしっかり見て、白い渦巻状のものを見つけたらその部分は取り除く。
● アニサキスは、傷がつけば死ぬので、刺身を細かく切る、また、しっかり噛むこと。
● 魚が死んだ後アニサキスは内臓から筋肉に移動するので、新鮮だと思っても気をつけること。

アニサキスは、熱に弱いので加熱すれば死滅します(75℃で数秒)。
 
(引用・参照 ; 厚生労働省医薬食品局食品案全部監視安全課長通知)