生活衛生 社団法人広島市食品衛生協会
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排水設備と生活術
   生活排水は、排水管から浄化槽や下水に流れていきます。浄化槽での汚水の処理は、微生物を利用した生物処理で有機物の除去を行うものです。微生物に有害な物質が流入すれば処理機能が失われます。また、川や海の汚染の原因の一番は家庭のキッチンや洗濯機などから流れでる生活排水といわれています。
 楽しい生活が送れるように「飲む水」と同様に「流す水」にも関心をもち、一人一人が十分に注意して大切な下水道を使用するようにしましょう。

ポイント1・・・・汚水を排出しないちょっと一工夫を!
○ぼろ布で食器に付いた汚れを拭き取ってから洗う
 不要になったTシャツなどの綿製品を小さく切って台所に置いておきましょう。油やマヨ
 ネーズ、ソース類がついた皿やフライパン、鍋などを拭くのに便利です。

○和布、タワシで食器や鍋を洗う
 綿の太い糸を昔ながらの手法で織ったものを和布と言います。食器や鍋の汚れは、初
 めにタワシでさっと洗ってから、和布を使うと、洗剤を使わなくても落ちます。

○洗濯する時は、まず水洗いを
 洗剤を入れて洗濯機を回す前に、水洗いをしてみましょう。水だけでも、汚れはけっこう
 落ちるものです。

ポイント2・・・・食用廃油や汚れのひどい排水等をそのまま流さない!
排水管は、勾配がゆるく排水の流れが遅いので油脂やゼラチン質が管内で冷えて固まったり、排水中の有機物が腐敗し膜状に付着して、管の詰まりの原因となります。排水管や排水ますが詰まったり壊れたりすると、汚物があふれたり、悪臭がします。

○台所では、野菜くずやご飯の残り、てんぷら油やサラダ油などを流さないようにしまし
  ょう。また、ディスポーザー(食品くず処理装置)も管の詰まりの原因となります。

○水洗便所ではトイレットペーパー以外の紙、異物を流さないようにしましょう。

○ガソリン、シンナー、石油、アルコール類など揮発性の高い危険物は、爆発を起こす原
  因になりますので流さないようにしましょう。

ポイント3・・・・排水管や排水ますは定期的に点検し、洗浄、清掃する!
排水管や排水ますの漏水、排水不良がないかときどき確認し、問題があれば適切に改善しましょう。また、共同住宅などでは年に1回、業者に依頼し定期的に排水管の清掃を行いましょう。
ポイント4・・・・「排水トラップ」を管理する!
排水管には、途中に水が溜まる部分があります。これを「排水トラップ」といい、溜められている水を封水(ふうすい)といいます。封水がなくなると下水道管などから悪臭や害虫などが室内に侵入してきます。また、この部分にゴミ等が溜まると排水が流れにくくなります。
家庭内の主な排水トラップ
画像 ワン(ベル)トラップ
ワン(ベル)トラップ
画像 pトラップ
pトラップ
画像 Sトラップ
Sトラップ
(斜線部分が封水)

■トラップは1カ月に1回程度掃除しましょう。
○ワン(ベル)トラップでは〜
 浴室、流し台、洗濯機パンなどのトラップの「わん」の外れや破損、また封水がなくなっ
 ていると、トラップの機能がなくなりますので、清掃時に確認しましょう。
【封水の確認方法】
 め皿、カゴ、「わん」を外し確認します。見えにくい場合は、懐中電灯などで照らせば水
 面が光るので分かります。
○Sトラップでは〜
 トラップの下にバケツなどを置き、トラップ部分を取り外します(ネジ式になっているもの
 が多い)。管内は、柄の曲がりやすいブラシでこすります。
■髪の毛、糸くず、ヘアピン、油ものなどは流さないようにしましょう。
  排水菅のつまりや封水がなくなる原因になります。